「グローバル人財プレップ・スクール」第3講のご報告

5月22日(火)IISIAセミナールームにて「グローバル人財プレップ・スクール」第3講を開催し22名の学生が参加しました。

最初に代表・原田武夫が“情報リテラシーとは何か”についての講義を行い「金融資本主義において行われる基本的な戦略は『いかに情報を隠し、いかに違う情報を流すか』である。これに惑わされない為には情報を徹底的に調べる必要がある。具体的には定点観測をして複数を比較し違いを見つけることだ」と説明しました。また「過去にどんな理由で国際的な資金移動が行われてきたかを知ることで今後の大きなマネーの動きが見通せるようになる」と述べました。

第3講の様子

第3講では出光佐三にスポットを当て2冊の課題図書について各自が読み込んだ上で要約・考察を事前に作成し、発表しました。

『士魂商才 実録・出光佐三』について、グループDは前半を要約し「出光佐三が経営の中で見出した『従業員家族主義(社員は必ず守る)』『生産者より消費者へ』等の方針とそれを彼がいかにして実践したかについて書かれている」と発表し「国家や日本国民のために奔走した出光佐三の考え方は安岡正篤(第1講の課題図書として紹介)の考え方と似ている点が多い」と考察を述べその類似点を列挙して説明しました。さらに「矢野事件(出光社内で発生した事件)」を未然に防ぐために出来ることはなかったのか」と他グループの学生へ問題提起を行いました。聞いていた学生からも「『従業員家族主義』に引きずられ個人を尊重しすぎたことが事件の原因であり反省すべき点ではないか」など活発な議論がなされました。議論の後で代表・原田武夫は「矢野事件」について「失うものがなければ得るものはない。今後20年の間に一度は『信頼する人に裏切られる』などの経験が必ずあるが、リーダーはここから学びを得てさらに高みに上っていく」とコメントしました。

グループEは『士魂商才 実録・出光佐三』後半について要約した上で、2大市場競争(①戦後の国内における石油販売権競争、②イランの石油販売権競争)について出光興産がGHQや海外の石油会社に対してどのような論理で対峙したのかを図解し発表、「出光佐三の凄さはより多くの人を内包する高いビジョンとそれを実現する実行力にある」とまとめました。発表後には学生および代表・原田武夫の間で「なぜ出光は経営が苦しくなっても『日本の為に』と言い続けたのか」など、白熱した議論が交わされました。

2冊目の課題図書『ペルシャ湾上の日章丸』はグループB、Cが担当しました。まず前半をグループBが要約し、出光佐三が世界を相手に渡りあえた理由について「会社としての軸がぶれない」「目先の利益にとらわれず長期的なビジョンを持っていた」「日本という国について考え国際情勢を見極められた」と考察を発表し、出光佐三はリーダーとしての素質を兼ね備えていたと述べました。

続いて後半をグループCが要約し、日章丸事件について「出光のその後の飛躍的発展の礎を築き出光の名を世界に知らしめたと同時に敗戦後の虚脱状態になった日本人、国民大衆の心に民族意識を蘇らせた」と発表しました。
また出光佐三が世界の石油販売権競争の構図を変えることが出来た理由について検討し「それはおかしいという疑問を持ちアクションし続けたこと」、さらになぜ疑問を持てたのかを掘り下げ「トップが広く教養に関心を持つことから世界にとって意義のある仕事が生まれるのではないか」と発表しました。

最後に代表・原田武夫は「当時の日本はグローバル・マーケットを対象に活動していたことが良く分かったと思う。インターネットがない時代であってもこれだけ情報を掴み先を読んで行動した先人がいることを忘れないように」とアドヴァイスしました。

第3講の様子

政策課題はグループAが担当し、「尖閣諸島問題」について過去の経緯を紐ときこの領土問題の発生要因を「尖閣諸島問題の根底には発見された石油資源の争奪がある」と整理しました。その上で日本のとるべき指針を「石油資源の確保」とし、「中国との共同開発事業推進」を具体的施策として提示しました。発表後、他の学生からは「なぜ尖閣諸島の石油獲得を日本が積極的に目指す必要があるのか」「共同開発による中国側のメリットはあるのか」など様々な質問が投げかけられました。最後に代表・原田武夫は事前の調査が良く出来ていると評価した上で「中国は外交に関してパッケージディールを行う。一側面だけでの議論でなく他の議論と併せて交渉を行うことも検討すべき」「日本の同盟国であるアメリカにとって日中関係はどうなってほしいのかという論点も必要だ」とアドヴァイスを行いました。

各グループが課題に対して積極的に取り組みそこから何かを掴もうとする姿勢が発表や質疑応答を通じて随所に見られ、第3講は大変な盛り上がりの中、終了いたしました。事前の準備も含め学生たちの意識が前回より大きく変わっていることを実感すると共に、貪欲に学ぶ学生たちに頼もしさを感じる講義でした。

活動報告

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